大学時代に舞台美術にかかわったことがきっかけで、空間デザインに興味をもつようになりました。
「日本の優れた空間デザイン」という特集の雑誌で〈桑沢〉出身のデザイナーが多いことを知り、学校説明会に行った際「今までデザインをやったことがない人のほうが、いいデザインを生み出したりする」と聞いて進学を決意しました。
〈桑沢〉では、先生から高いレベルを求められます。なんとなくとか、単にきれいだからといった理由だけでは認められません。自分の案に対して正当性のある説明が必要です。
そのため、コンセプトから技術まで、根拠のあるデザインを心がけて制作しました。それによって、デザイン力だけでなく、論理的思考力が鍛えられました。
また、「エレメントデザイン」の授業では、野菜や植物の構造を観察し、デザインにどのように取り入れられるかという課題が出ました。
日常何気なく見ているものにも、デザインにつながるヒントがちりばめられていることがわかり、すべてがデザインにつながる視点で見られるようになりました。
目の前にあるものについて注意深く観察し、小さな違いや課題を見つけ、それに対する新しい解決策としてデザインを考えることを、常に意識させられた2年間でした。