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2024.09.2470周年記念座談会「シブヤの街とデザイン学校が共創できる未来について話そう」を開催しました

70周年記念プロジェクト 第4段の記念講演会として7月13日(土)16:30より70周年記念座談会「シブヤの街とデザイン学校が共創できる未来について話そう」を開催しました。

ゲストに長谷部健 渋谷区長をお招きし、座談会の導入として佐藤竜平所長から桑沢デザイン研究所が戦後間もない社会的な背景の中で、渋谷という地で開校し街と並走するように文化的な発展を目の当たりにしてきたことを、どのような形で教育に活かしてきたのかという概略をご説明いただきました。これを受けて区長からは渋谷区の成り立ち、区長が行政として取り扱える事業・税収と区の予算の話などを大まかにご説明いただき、いよいよ当日のテーマとなっていた「若者が(当事者として)ちゃんと街づくりに参加できているのか」という問題へ話はシフトしていきました。

桑沢ではこの対談に先立って学生にアンケートを実施しており、この回答を見ながら話は展開していきました。ここでも桑沢洋子の「デザインは個の問題ではなく、衆の問題であり、社会の問題である」という言葉を引き合いに出しながら、アンケートにある問題を渋谷区がどのように捉えているのかという点についてお伺いすると、長谷部区長より渋谷区が既に取り組んでいる事例を幾つかご紹介いただきました。

教育については渋谷区が小中学校を統合しながら順次建て替えを進めていく 「未来の学校」プロジェクト、また歩行者中心の街づくりを進める「大山街道」プロジェクトなど学生たちが問題意識を感じている点やデザインを学ぶ学生にとっても大いに参考となる視点から丁寧に解説していただき、参加者からも区長の仕事からデザイナーとして大いに学ぶ点があるという感想も後日頂いたほどです。

また渋谷区の住民の約半数が実は甲州街道沿いに居住していることからササハタハツの玉川上水旧水路緑道再整備事業が、区民への還元率が高い仕事であること、逆に渋谷駅や原宿駅周辺の再開発事業などは積極的に企業と連携をしていくことで、渋谷区の負担を減らしながら区民へ還元していける仕組みが準備できることなど、渋谷区が都政や国政に先んじて様々なチャレンジを続けていることがよくわかりました。

会の後半には区の取り組みとシンクロしている現在の学生が取り組んでいる課題を区長にプレゼンして今後の可能性を探ったり、人命に関わるような問題点について鋭い質問が飛ぶなど、白熱した展開となりました。

最後に渋谷区はいつでもアイデアを待っているという区長からのお言葉とともに、一時的市民として渋谷で学生生活を過ごし、卒業後は常に社会と密接な関係にあるデザイナーという仕事を選ぶ学生たちにとって、想像を超えた可能性が示された座談会となりました。