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卒業生紹介

高島 未季

総合デザイン科 スペースデザイン専攻
2006年卒業

高島 未季

フォトグラファー

時間をかけて重ねた経験が一本の道につながっている

2016年にニューヨークに渡り、フリーのフォトグラファーとして主に建築の写真を撮っています。外観だけではなくてインテリアも。あちらでは不動産写真の需要が多くて、リアルエステイトフォトグラファーがひとつのジャンルとして存在します。今は日本の雑誌『住宅建築』でコーナーを任され、ニューヨークの面白いインテリアを紹介しています。取材依頼、図面を描く、文章を書く。〈桑沢〉で学んだことを総動員して「インテリアを、現地の人々の生活や文化のポートレートとして紹介」する気持ちで連載しています。

昔からイラストを描くのが好きで、当初はビジュアルデザインを志していました。ところが〈桑沢〉入学直前に本でガウディを初めて見た影響で「建築をやる!」と決意してスペースデザインを専攻。ところが1年も経たないうちに「自分には向いていない」と思ってしまって、そんな時に一眼レフを持って、ヨーロッパに建築を見に行きました。そこで撮った写真が意外にも自分の思い通りに撮れていたので面白くなり、だんだん写真のほうに傾倒していったのです。

卒業時には写真家になることを決めていましたが、何度就職活動してもなかなかスタジオに入れず、「どうやって写真の世界に入ろう?」ということを常に考えていました。ハウスメーカーや印刷会社など転職を繰り返して6年も経った頃、ようやくコマーシャルフォトグラファーのアシスタントになれたにもかかわらず、たった2か月でクビを言い渡されました。理由は「頑固すぎて、何を言っても君の中に浸透しているようにみえない」から。でも結局その縁で少しずつ写真の仕事がもらえるようになり、独立して3年ほど主にポートレートを撮る仕事を続け、ニューヨークに行きました。

二十歳そこそこの、人生の早い段階で「自分のやりたいこと」がわかっている人なんてそうそういないと思います。若くて影響を受けやすい時期に、〈桑沢〉の1年次で全ジャンルを勉強できるということ、入学時に専攻を決める必要がないということは、とてもありがたくていいシステムでした。また、私のゼミの場合は学生10人に対して4人も先生がついてくださるなど、贅沢で恵まれた環境で学ぶことができました。「インテリアに関わることはないだろう」と思いながら卒業しましたが、結局やっぱり今でも好きで、写真を通して関わりながら仕事しているのは面白いと感じています。

すごく時間をかけて、身体を張って、何度も失敗して、今ようやく「これでよかったな」と。さまざまな経験が一本の道になってきているのが、今です。

『住宅建築』で連載しているコーナーで紹介したインテリアの写真


<インタビュー 2020年3月>©桑沢デザイン研究所 卒業生一覧へ戻る