2026年03月17日 学生デザインのキーケースが「東急ステイ渋谷恵比寿」で採用


桑沢デザイン研究所の学生がデザインしたキーケースが、東急リゾーツ&ステイ株式会社が展開するホテル「東急ステイ」のサステナブルプロジェクトに採用されました。
不要になった衣類やホテルリネンから作られた「渋谷ペーパー」を素材としたキーケースとして、2026年3月17日に開業する「東急ステイ渋谷恵比寿」で宿泊者向けに使用されます。
このキーケースは、不要になった衣類やホテルリネンなどの繊維資源から作られた「渋谷ペーパー」を素材とし、宿泊者が滞在中に使用するルームキーケースとして制作されたものです。折り紙のように折って形をつくることができ、滞在後にはフォトフレームとして使用することもできる仕様となっており、旅の思い出として持ち帰ることができます。

本プロジェクトでは、キーケースのデザインを本校の授業課題として取り上げ、その後学内公募を実施しました。207名の学生から応募があり、その中から2作品が採用されました。採用されたデザインを手がけたのは、当時昼間部ビジュアルデザイン専攻2年の岡村沙南さんと、同専攻3年の田中さんです。
「渋谷ペーパー」は、渋谷区在住の中学生によるアイデアをきっかけに、不要になった衣類やリネンなどの繊維資源を再利用して生まれた素材です。今回の取り組みでは、その素材を用いたキーケースのデザインを桑沢デザイン研究所の学生が手がけ、地域・企業・学生が関わる形でプロジェクトが実現しました。

このキーケースは、東急ステイが展開するサステナブルな宿泊体験の一環として導入されるもので、宿泊者がホテル滞在を通じて資源循環を体験できる仕組みの一部となっています。今後は、渋谷エリアの東急ステイ各店舗をはじめ、順次他店舗への展開も予定されています。
昼間部ビジュアルデザイン専攻 岡村沙南さんの作品

【作品コンセプト】
写真立てにもなるカードキーケース
旅先で撮った思い出の写真を渋谷ペーパーと共に飾ることができる
コーポレートメッセージの中にあった「また訪れたい」という言葉と「キーケースを持ち帰ってもらう」という体験を両立させる方法を考え、ケースを貰った時の瞬間的な面白さと旅の思い出を色褪せずに残せるデザインを目指して制作に取り掛かりました。
カードを差し込んでいた部分には、旅先で撮った写真を入れられるようにし、キーケースが旅の記録を飾る写真立てにもなるようにしています。
滞在したホテル名、日付、部屋番号、旅の情景など、宿泊体験を一目で振り返ることができ、“旅の余韻” を残せるかたちを目指したデザインです。






▲提案時の岡村沙南さんのアイデア
Q1. この作品が生まれた背景について教えてください。
岡村さん:旅行先では写真を撮ることが多い点に着目し、写真立てになるケースを考案しました。はじめはカード全体を覆うデザインを考えていましたが、実生活の中で使用するカードを観察したところ、全体を覆う必要はないと気づいたことでデザインの幅が大きく広がりました。宿泊客が帰宅後に写真をプリントしてケースに差し込むことで初めて完成するため、その体験自体が旅の思い出として残ることを意識して制作しています。
渋谷ペーパー特有の質感は植物のモチーフと相性が良いと感じ、ケースには四季を表現したイラストを施しました。紙そのものにあたたかい印象があったため、その風合いを活かせるよう水彩で描いています。
ケースを開くとカードが半回転するギミックを取り入れることで、まずケースそのものに興味を持ってもらえる仕掛けを施しています。さらに、持ち帰った後は写真立てとしても使用できるようにし、二段階で楽しさを感じられるデザインです。
ゴミを減らす目的で作られた渋谷ペーパーだからこそ作る段階でもゴミが出ないように、切れ込みと折りだけで成立する展開図を考えました。
Q2. 実際にホテルで使用されていることについて、どのように感じられましたか。
岡村さん:はじめて自分のデザインが多くの人の手に渡ることになりとても嬉しく感じました。
実物を拝見したところ紙・イラスト・印刷の相性が素晴らしく、私の想像以上にあたたかい印象のケースに仕上がっており感動しました。
受け取ってくださった方が「面白い!」と感じてくれているかな、どんな写真を撮ってケースに入れてくれるのかなとわくわくした気持ちでいっぱいです。
どこかで飾って楽しんでくださっている様子をお見かけできたら嬉しいなぁと思っています。
昼間部ビジュアルデザイン専攻 田中さんの作品

【作品コンセプト】
渋谷のペーパー素材を活かし、紙そのものの風合いや柄を楽しんでいただく折り紙体験をご提供。
“日本ならではの手仕事” を通じて、旅の思い出に残る時間を。
自然素材を活かした美しいデザインや統一感があり、街に開かれたホテルに合うようなシンプルなデザイン。
インバウンドの観光客の思い出となり、捨てられずに大事に持ち帰ってもらうことを目的とし、デザインやアイデアにバリエーションを持たせ、カップルや家族がそれそれ持ち帰りたくなるような、集めたくなるようなものをコンセプト制作しました。
Q1. この作品が生まれた背景について教えてください。
田中さん:今回の作品は、廃棄されるものを紙へと生まれ変わらせる渋谷ペーパーの素敵なプロジェクトの取り組みに共感したことをきっかけに制作しました。渋谷ペーパーの素材や制作過程を活かし、紙ならではの風合いや柄の魅力を楽しんでいただけるよう意識しています。また、折り紙の体験を通して日本ならではの手仕事に触れていただき、旅の中で心に残るひとときや思い出を持ち帰っていただけるような時間を提供したいと考えました。
Q2. 実際にホテルで使用されていることについて、どのように感じられましたか。
田中さん:この度、実際にホテルで使用していただけることになり、とても嬉しく思っています。このような貴重な経験をさせていただけたことにとても感謝しています。課題があったからこそ出会えた機会だと感じていますし、自分の作品が誰かの手に渡っていることが不思議であり、この作品がひとりでも誰かの心を少しでも癒す体験につながれば嬉しいです。






