高校はデザイン科だったので、〈桑沢〉に進学した先輩を間近に見てきましたが、その先輩たちはみんな優秀だったので、自分が授業についていけるか不安を感じていました。
それでも〈桑沢〉で学ぼうと思ったのは、1年次にすべてのデザインを学ぶことができるカリキュラムがとても魅力的だったからです。
高校では学科が違うとほとんど交流がありません。でも〈桑沢〉では、学生ホールなどの共有スペースで他の分野の人と意見交換をしたり、アドバイスをもらったり、刺激を受けながら課題に取り組むことができました。お互いの得意な部分を出し合って協力し合う。それが学生全体のクオリティを上げることにつながっていると思います。
課題の制作では、必ず人より努力したと言えるところをひとつはつくるように心がけました。特に苦手意識のあった「インテリア」の授業でも、プレゼンボードのレイアウトや仕上がりにこだわり、時間をかけました。好きな「住環境」の授業では、他の人より多くの模型をつくりました。
人々の希望を造形やシステムとして生み出し、発信できるのがデザインの力です。世界が大変な状況に直面している今、私たちのようなデザイナーが世界をつくるという意識を、これからも持っていきたいです。