ビジュアルデザインとは
ビジュアルデザインとは、映像、イラスト、写真、文字などを使って視覚的に情報を伝達するデザインのことです。
視覚伝達デザインとも呼ばれ、ポスター、雑誌、ホームページなど、日常生活でも目にする機会が多くあります。
ビジュアルデザインに関する仕事
視覚的に情報を伝えることができるビジュアルデザインは、さまざまな分野で活用されています。
ビジュアルデザインに関する仕事は、次の通りです。
広告
商品の宣伝のため、ポスターやCMなどのビジュアルデザインを作成します。
デザイナーは広告代理店やデザイン事務所などに所属し、クライアントの要望に沿ってデザイン案を提案していきます。
出版
雑誌や本、カタログなど、出版物に関するデザインをエディトリアルデザインと言います。
出版社と打ち合わせをして、読みやすく美しい書面を作ります。
また本の表紙を専門とするデザイナーは、ブックデザイナーと呼ばれます。
パッケージデザイン
食べ物の包装やCDジャケットなど、商品の顔となるパッケージをデザインします。
「パケ買い」や「ジャケ買い」という言葉があるように、パッケージがきっかけで商品が購入されることもあるので、売れ行きを左右するデザインとも言えます。
webデザイン
近年のビジュアルデザインは、紙だけでなくWebでの需要も高まっています。
ホームページの見た目のデザインで、美しさだけでなく操作性も意識する必要があります。
さらにホームページを製作するためのHTMLやCSSといったコーディングの知識も求められることも。
グラフィックデザインとの違い
ビジュアルデザインとよく混合されるのが、グラフィックデザインです。
グラフィックデザインとは、簡単に言うと平面のデザインのことで、上で解説したポスター、雑誌、パッケージなどのデザインはすべてグラフィックデザインに含まれます。
グラフィックデザインはイラスト、写真、文字を使った平面のデザインであるのに対し、ビジュアルデザインにはそれらに映像や音声といった要素も含まれます。
つまり、ビジュアルデザインの方がより広いデザインの領域を指していて、グラフィックデザインはビジュアルデザインのうちの1つに含まれるのです。
ビジュアルデザインに必要な知識とは
ビジュアルデザインを学ぼうと思った時に必要な知識は、以下の通りです。
基本的なことを学んだら、あとは実際にデザインを作り、手を動かしながら経験を積んでいくことが大切です。
コンセプトの考え方
ビジュアルデザインとは情報を伝えるものなので、「誰に、何を伝えるか」というコンセプトを決めることが最も重要です。
このコンセプトがしっかりしていれば、素材や配置は自然と決まってくるものです。
そのため、ビジュアルデザインにはまずコンセプトの考え方を学ぶことが大切です。
コンセプトの考え方については本やインターネットから学ぶこともできますが、現役のプロから直接聞けると、より実践的で高度な考え方ができるようになります。
タイポグラフィ
文字、書体、文字組みなど、グラフィックデザインにはタイポグラフィが欠かせません。
適切なフォントを選び、文字をきれいに配置することで、文字が読みやすくなります。
また、ただ読みやすくするだけでなく、文字そのものをデザインすることもタイポグラフィと呼ばれます。
写真
ビジュアルデザインで写真を活用するためには、Photoshopを使った加工編集の技術や、配置方法などの知識が必要です。
また必ずしもデザイナー自身が写真を撮れる必要はありませんが、構図を理解したり、素材が足りない時に自分で用意したりするためにも、撮影できるに越したことはありません。
イラストレーション
情報を分かりやすく伝えるのに、イラストレーションも有効です。
Illustratorを使えば、簡単なバナーやロゴ、アイコン等を自作できるようになります。
写真と同じく、デザイナーは加工方法を知っていれば十分ですが、今やイラストレーションはビジュアルデザインに不可欠な要素となっているので、描けてデザインできるデザイナーが求められることも多いです。
ビジュアルデザインの基本
ビジュアルデザインのテクニックの基本について、覚えておきたい3つのポイントをまとめました。 これからビジュアルデザインに挑戦したい方は、参考にしてみてください。
レイアウト
レイアウトは、配置を決めることです。
ポスター、雑誌、webなど、どんな媒体でもレイアウトの知識が活用されます。
・視線を意識する
人間の視線は、横書きのものはZ型、縦書きのものはN型、webサイトなどはF型に動くと言われています。
重要な情報を目線の始点に置くなど、視線の動きに合わせてレイアウトを決定します。
・余白を入れる
関連性の高いもの同士を近くに配置し、低いものは余白を入れ、離して配置します。
また要素を詰め込みすぎず、適度に余白を作ることで見やすいデザインになります。
配色
配色が変わると、ビジュアルデザインのイメージも大きく変わります。
・イメージから色を決める
赤色なら情熱なイメージ、緑色なら自然のイメージなど、色はそれぞれイメージを持っています。
「なんとなくオシャレだから」ではなく、コンセプトに合ったイメージの色を選ぶことが大切です。
・配色の割合
ビジュアルデザインの中で最も使用されるメインの色を、ドミナント・カラーと呼び、ドミナント・カラーの補色として、アクセント・カラーが使用されます。
一般的には、ドミナント・カラー1色とアクセント・カラー1〜2色が使用され、その割合は6:3:1が良いと言われています。
タイポグラフィ
タイポグラフィは、ビジュアルデザインの中でも難しい要素だと言われています。
・無難なフォントがおすすめ
デザインというと、フォントもオシャレで凝ったものを選びたくなりますが、基本的には読みやすさを優先させて、誰にでも馴染みのあるフォントを選ぶのが良いでしょう。
ただしコンセプトを元に「装飾的なフォントが良い」と判断した時は、装飾的なフォントを使う場合もあります。
・配置に注意する
タイポグラフィで大切なのは読みやすさですが、文字の配置も読みやすさに大きく関係します。
たとえば行の始まりはそろえて、行頭が一直線に並ぶようにすると読みやすくなります。
また文字の量やフォントに合わせて、適切な行間を選びましょう。
行間は、狭すぎても広すぎても文章が読みにくくなってしまいます。
特に長文の場合、行間が広すぎると間延びしてかなり読みにくくなるので、注意が必要です。
・文字色を変える
文字色は黒が基本ですが、読みやすさを考えて文字色を変えるのも有効です。
背景色が黒なら白抜きの文字にする、文章の大切な部分を赤で強調するなど、ケースによって文字色を変えます。
まとめ
ビジュアルデザインとは、映像、イラスト、写真、文字などの視覚情報を使って伝達するデザインのことです。
広告や出版などさまざまな分野で活用され、私たちの日常生活でも身近なデザインです。
ビジュアルデザインを手がけるには、コンセプトの考え方をはじめ、文字、写真、イラストについての基本的な知識が必要です。
またレイアウトや配色などのルールも決まっています。
ビジュアルデザインを作れるようになるには、こうした基本的な知識を学んだ上で、たくさんの作品を作って実践的にスキルを身につけていくことが大切です。