2024.11.19「シブヤフォント」プロジェクトのあゆみとこれまでの取り組み
シブヤフォントは、渋谷でくらし・はたらく障がいのある人と、桑沢デザイン研究所の学生が共に創り上げた文字や絵柄・イラストを、フォントやパターンとしてデザインしたパブリックデータです。
現在は自由選択科目「ソーシャルデザインプロジェクト」(担当教員:ライラ・カセム)として開講していますが、このプロジェクトは夜間部の授業から始まりさまざまな経緯を経て、多くの学生や関係者にとって特別な学びと交流の場となっています。
本ページではシブヤフォントについてご紹介いたします。
シブヤフォントについて
スタートは夜間部プロダクトデザイン専攻2年生 磯村歩先生の「発想ワークショップ」という授業内の課題「福祉作業所の商品開発」をテーマとして2013年に始まりました。
この実績を背景に、2016年に担当教員の磯村先生が経営する会社「株式会社グラディエ」(現株式会社フクフクプラス)に、渋谷区から「障害者就労施設等製品開発支援委託」として業務委託があり、東京オリンピックに向けた「渋谷みやげ」を、渋谷区☓障がい者支援事業所☓桑沢デザイン研究所の連携で、桑沢の学生が誰でも参加できる学内コンペを開催しました。
(株式会社グラディエと桑沢デザイン研究所とは「協力委託契約」を締結)
そして2017年2月、このコンペの審査会で、学生提案から採用されたのが障害がある人のユニークな文字をデジタル化してフォント化する「シブヤフォント」となります。
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▲選考会の様子 |
以降、渋谷区☓障がい者支援事業所☓桑沢デザイン研究所による「シブヤフォント」プロジェクトが継続していきます。
(2017年度以降、渋谷区は、社名が変更となった株式会社フクフクプラスに「渋谷みやげ開発プロジェクト支援業務委託」として業務委託、桑沢デザイン研究所は、株式会社フクフクプラスと「協力委託契約」を締結し、推進)
![]() ▲フォント原画 |
![]() ▲フォント化後 |
2018年度以降、夜間部プロダクトデザイン専攻2年生 磯村先生の「発想ワークショップ」のテーマの一つとしても「シブヤフォント」を取り入れたグッズデザインを採用。
「シブヤフォント」は学内コンペとしても参加者が増えて、昼間部夜間部を超えて多くの学生によって取り組まれてきました。
(2021年には、渋谷区障がい者福祉課長、渋谷区内障がい者支援事業所の施設長、磯村先生が共同代表を務める「一般社団法人シブヤフォント」が設立され、以降、渋谷区からの業務委託「渋谷みやげ開発プロジェクト支援業務委託」は、株式会社フクフクプラスから、一般社団法人シブヤフォントに委託される形になりました)
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▲障がいのある方と学生が取り組んでいる様子 |
夜間部のカリキュラム改変に伴い、2022年に昼間部の自由選択科目「ソーシャルデザインプロジェクト」として開講され、担当教員は2017年からデザイン制作の統括をしているライラ・カセム先生が務め、このプロジェクトが有志の学生による活動から正式な授業としてスタートしました。
2024年からは夜間部の聴講生制度が認められた学生も受講可能となりました。
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▲学生と施設がタッグを組んだチーム打合せの様子 |
当校が渋谷区、障がい者支援事業所と取り組んできたシブヤフォントは、国内外11以上(2024年度時点)のデザイン賞を受賞するなど社会的な評価も高く、今なお継続して活動が広がっています。
また、シブヤフォントの取り組みを全国に広げる「ご当地フォント」がスタートし、北海道から九州まで16地区(2023年度時)に広がるなど、全国区の事業に育っています。
学生にとっては、学外での貴重な学びの機会であり、企業へのプレゼンテーションなどを通して、大きく成長しています。
今後も、社会と学生をつなぎ、学生の新たな学びの機会として、本事業に取り組んでいきます。
沿革
2013 | 夜間部プロダクトデザイン専攻2年生 磯村先生の「発想ワークショップ」授業内の課題「福祉作業所の商品開発」をテーマに始まる。 |
2016 | 東京オリンピックに向けた「渋谷みやげ」をテーマとして、渋谷区☓福祉作業所☓桑沢デザイン研究所の連携で、学生有志による取り組みを開始。また学内コンペとして「渋谷みやげ」コンペを実施。入賞した提案の中から「シブヤフォント」が採用。 |
2019 | 桑沢学園賞受賞(受賞対象:シブヤフォントを推進する磯村歩) |
2019 | グッドデザイン賞受賞 |
2020 | 東急グループ環境・社会貢献賞受賞 IAUD国際デザイン賞2020 金賞 共創デザイン部門受賞 |
2021 | ソーシャルプロダクツ・アワード最高位大賞受賞 一般社団法人シブヤフォント設立、磯村先生が同法人の代表理事(共同代表)に就任 渋谷区文化総合センター大和田に事務所開設 |
2022 | 内閣府「日本オープン イノベーション大賞」選考委員会特別賞受賞 読売福祉文化賞受賞 |
2023 | SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞受賞 ゴールデンピン・デザイン賞(台湾)受賞 |
2024 | iFデザインアワード2024受賞 グッドデザイン賞受賞(2回目) 東急プラザ原宿「ハラカド」にシブヤフォントラボ(ギャラリー、イベントスペース)開設 |
ファクト情報(2024年時点)
福祉還元 400~500万円/年
制作データ数 590種
障がいのあるアーティスト 累計190名以上
学生 累計70名以上
障がい者支援事業所 11事業所
採用企業 100社以上
採用事例
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▲渋谷区役所本庁舎の案内表示 |
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▲自販機 |
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▲勤労福祉会館 |
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▲仮囲いアート |
シブヤフォントが手がけたイベント
▲シブヤフォントラボ開業イベント インクルーシブファッションショー~ショウガイはへんしんできる~
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▲渋谷区障害者週間イベント「SHIBUYA FACTORY 428/294」 |
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▲国際福祉機器展2024「ものづくり アートづくし ラボラトリー」 |
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▲国際福祉機器展2023 |
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▲東急プラザ原宿「ハラカド」7F「シブヤフォントラボ」 |
メディア掲載(抜粋)
シブヤフォントで育む未来<シブヤから全国へ>〜thincなこと・シブヤフォント 磯村歩さん × 東京都渋谷区〜 2024.07.25
advanced by massmedian 街に出かけてきた障がいのある人とない人が、真ん中で出会える場所になりたい 2024.06.05
日テレNEWS NNN アートだけだと遠すぎる…パターンやフォントまで落とし込み、障害のある人の文字や絵をパブリックデータとしてデザインするシブヤフォントの魅力 2024.05.15
渋谷新聞 渋谷発祥の『シブヤフォント』を日本中、そして世界中へ! 磯村歩さん 2023.04.27
[ハートネットTV] “世界で一つだけのアート” 障害者×学生コラボ | NHK 2022.12.13
文化的な活動で活躍する二人が初めて話したまえとあと【前編】 2022.5.16
こここ デザインで、人の力を「ポジティブに見立てる」。“産官学福”から社会を変えるシブヤフォント 2022.04.06
マザーハウス 山口絵理子さんのYoutubeチャンネル 山口絵理子の社会科見学vol.2 デザインの力で障がいを渋谷の力に シブヤフォント磯村 歩さん! 2021.4.20
パラサポweb 渋谷発!話題のお土産「シブヤフォント」 2020.02.07
J-WAVE きっかけは「渋谷のおみやげを作りたい」!障がいのある人と学生が一緒に生み出した【シブヤフォント】! 2019.11.8