2025.10.06メディア創造コースの授業で様々な視覚装置を体験
メディア創造コースの授業では、映像や音響がどのように使われてきたのかを知り、その原理や表現を実際に体験しながら学びます。過去の事例を通して、「どうしてそう見えるのか」「なぜそう聞こえるのか」といった仕組みを探っていく面白さに触れていきます。
今回はプリミティブメディアアーティストの橋本典久先生をお迎えしました。橋本先生は、全天周の光景をフレーミングすることなく記録できる「Panorama Ball」や、一度で360度の光景を見渡せる「zerograph」といった独自の表現手法で知られています。
授業の前半では、橋本先生が学生時代から抱いてきた関心や制作、そして現在の研究に至るまでの歩みを伺いました。疑問を持ち続け、手を動かして試行錯誤する中で、作品を通して世界を解釈していくことや、その積み重ねが今の研究につながっていることに受講生たちも話に引き込まれていました。
後半は「映像前史」をテーマに、私たちがなぜ映像を映像として認識できるのか、人間の目や脳の仕組みを交えて学びました。その上で、フェナキスティスコープ(驚き盤)、ソーマトロープ、アノーソスコープ、ゾートロープといった視覚装置のレプリカに触れて、原理を体感しました。
実際に手を動かして原理を体験すると、日常の光や音の見え方・聞こえ方がこれまでとは違って感じられます。そこから生まれる“気づき”は、資格やソフトの習得以上に価値があり、新しい視点をひらいてくれる学びです。