2025.12.20クロストークイベント第1回目『無為に斑 – 空間構成要素の再構築 –』

2025年10月31日(金)、渋谷を拠点に開催されるデザインイベント「DESIGNART」期間にあわせ、桑沢デザイン研究所では公開講座としてクロストークイベントを開催しました。
渋谷という都市から発信されるデザインの力と、教育・社会をつなぐ桑沢の役割を見つめ直すシリーズとして、3回にわたり開催しました。
その第1回としてLIXILがDESIGNARTで出展した「無為に斑 – 空間構成要素の再構築 –」をテーマにトークイベントが開催されました。
登壇者は、建築家の永山祐子さん、株式会社LIXIL常務役員の羽賀豊さん、同LHTデザインセンター長の井上貴之さん。ファシリテーターは桑沢デザイン研究所プロダクトデザイン分野専任教員の本田圭吾先生が務めました。


▲建築家の永山祐子さん
永山さんからは、万博パビリオンをはじめとする建築を、場所や時間に応じて再構成しながら活用する「動く建築」という考え方を紹介。リユースやアップサイクルの実践を通して、建築が社会にどう寄与できるかが語られました。

▲株式会社LIXIL常務役員・羽賀豊さん

▲株式会社LIXIL LHT デザインセンター長・井上貴之さん
LIXILの羽賀さん、井上さんからは、テーマ「無為に斑」を通して、均質さではなく“斑(むら)”を加えた、これからの住宅設備機器や建材のあるべき姿を見直す新たな視点が紹介されました。
「無為に斑」は、価値観やライフスタイルが多様化する現代において、既成概念にとらわれず「斑(むら)」を取り入れることで、これまでのLIXILの考え方とは異なるアプローチを探求するプロジェクトです。直線的な「無為」という考え方を尊重しつつ、非直線的な「斑」という要素を加えることで、建材の新たな可能性、そして新しいライフスタイルや空間の創造を目指して取り組んだことが明かされました。
環境配慮素材の開発や、日常に寄り添うデザインのあり方について、技術と感性の両面から紹介していただきました。

最後には今回のテーマ「無為に斑」に込められた思いや読み方についても語られ、会場は驚きと発見に包まれながら講演会は終了しました。

▲プロダクトデザイン分野専任教員の本田圭吾先生




登壇者プロフィール
永山祐子さん
1975年東京生まれ。青木淳建築計画事務所を経て2002年永山祐子建築設計設立。主な仕事に「豊島横尾館」「ドバイ国際博覧会日本館」「東急歌舞伎町タワー」、大阪・関西万博「ウーマンズ パビリオン」と「パナソニックグループパビリオン『ノモの国』」など。JIA新人賞(2014)、山梨県建築文化賞、東京建築賞優秀賞(2018)、照明デザイン賞最優秀賞(2021)、WAF Highly Commended(2022)、IFデザイン賞(2023)など。現在「Torch Tower」などの計画が進行中。
http://www.yukonagayama.co.jp/
LIXIL GLOBAL DESIGN
https://www.lixil.co.jp/s/muinimula/
https://www.lixil.com/jp/stories/stories_23/
https://www.lixil.com/jp/stories/stories_27/



