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浅葉克己 桑沢生の、目。 桑沢生の、目。

2025.11.27代々木公園でサウンドスケープを体験

メディア創造コースでは、映像や音響がどのように扱われてきたのかを、事例と実習の両方から学びます。
先週から4回に分けて音や響きの活用を探っていますが、前回から「サウンドスケープ」に取り組んでおり、今回は第2回目です。

授業の前半では、御手洗先生から音を用いたアート、デザイン、広告の事例を紹介していただきました。講義形式ではありますが、先生の問いかけに対して受講者が感じたことや気づいたことを話しながら進めています。
同じものを見たり聞いたりしても、受け取り方は多様なので、その感覚を共有しながら授業を行っています。

後半は、場所を代々木公園へ移して実際にサウンドスケープを体験しました。
周囲の音を意識的に聴き取り、言葉で記述していきます。普段は背景に溶けてしまう音が、一つひとつ輪郭を帯びて現れてくる瞬間です。

この方法には、「イヤー・クリーニング」という耳を開くためのメソッドが応用されています。
手を動かしながら音を言語化・図形化することで、環境のなかにある音の層や関係性を観察していきます。
その結果、音がどのように響き、空間を構成しているのかを、より立体的に捉える手がかりにもなります。

教室に戻ったあとは、記述した音の視覚化に取り組みました。
同じ場所で同じ音を聞いていても、どこに着目するか、どのように表すかは一人ひとり異なります。複雑な音の中に踏み込むと、聞こえてくる音の優先順位が変わり、それがそのまま線や形として現れていました。
今回観察した音は、次回以降にさらに視覚情報化していきます。

授業見学について

メディア創造コースに興味のある方に向けて、実際の授業をご覧いただける「授業見学」を開催します。
通常の授業にそのまま参加者の方をお迎えする形式のため、当日のご案内は最小限となりますが、教室の雰囲気や学生の学びの様子を自然にご覧いただける機会となっております。
前半のレクチャーでは原理や背景について学ぶ場面を、後半のワークショップでは実際に体験しながら取り組む様子をご覧いただけます。