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専門学校桑沢デザイン研究所70周年記念プロジェクト

2024.12.12「制作の現場」オープンレクチャー 川上典李子先生 x 宮前義之先生 対談

2024年12月6日(金)、桑沢デザイン研究所創立70周年記念プロジェクトの一環として、夜間部ビジュアルデザイン専攻の授業「制作の現場」オープンレクチャーを開催しました。今回は、デザインジャーナリストであり、21_21 DESIGN SIGHTのアソシエイトディレクターである川上典李子先生の授業に、A-POC ABLE ISSEY MIYAKEデザイナーの宮前義之先生をお迎えし、対談形式で行われました。
対談には、昼間部・夜間部・分野を問わず多くの学生が参加し、デザイン領域にとどまらない「デザイン」の実践力や未来、可能性を考える貴重な機会となりました。

講義は川上先生による活動紹介から始まり、ジャーナリストとしての仕事としてデザイン誌「AXIS」での編集部勤務経験や「21_21 DESIGN SIGHT」の立ち上げから展覧会の企画について実例を交えながら解説され、編集出版・展覧会企画・ディレクションなどの視点から学ぶ機会となりました。

続いて、宮前先生からは「一枚の布の可能性」をテーマに、A-POC ABLE ISSEY MIYAKEの衣服づくりについて話されました。熱と蒸気によって特定の糸だけを収縮させ、伸縮性を布に生み出すイッセイ ミヤケ独自の技術「スチームストレッチ」について「デザインは色や形の提案だけでなく、技術を組み合わせて何を作るか」という視点からご説明いただきました。また三宅⼀⽣さんの名⾔「つくり⼿半分、着⼿(きて)が半分」という言葉を取り上げつつ「デザインは生活にどう寄り添うか」について、そしてデザインにおける「余⽩」の重要性についてもお話しいただきました。

最後に、A-POC ABLE ISSEY MIYAKEの布を使ったワークショップが行われました。参加者は、それぞれ異なる収縮特性を持つ布を渡され、アイロンを使って収縮の変化を観察しながら、心地よい造形を作る体験を通してISSEY MIYAKEの服作りのプロセスを学びました。

また、同ブランドの衣服を実際に試着する機会も設けられ、学生たちはその軽さや機能性を体感し、次々と試着を楽しむ姿が見られました。